ピアース大統領から将軍・徳川家定宛の親書
(The Complete Journal of Townsend Harris, Appendix VII より訳出)
タウンゼント・ハリスは安政4(1857)年10月21日に登城し、将軍・家定に謁見し、1855(安政2)年9月12日付けのピアース大統領の親書を提出した。この親書いわく、
アメリカ合衆国大統領・フランクリン・ピアースより日本の皇帝陛下へ。
偉大なる善き友へ、
豊富で多様な貴国と合衆国の生産品の貿易に一層堅固な便宜を図るため、合衆国と日本との現行条約を改正する必要が生じております。従って、この書簡を所持し、すでに合衆国総領事として貴国外務大臣に信任状を提出している、本合衆国市民・タウンゼント・ハリス氏を選任し、陛下が委任する大臣または代表者と本件につき協議すべく命じております。その協議では、合衆国と日本との親善を堅固にし遂行し、かつ双方の利益のための商業貿易を増進する条約条項を合意するものと信じます。
陛下はハリス氏を親切に処遇し、陛下に対する我が代表者として、全ての代表権の行使に信頼を置かれるものと確信致します。
陛下の安全と神のご加護のあらんことを祈ります。
以上の表明のため、1855年9月12日、首都・ワシントンにて合衆国の印璽を捺し、自身の名を署名するものであります。
フランクリン・ピアース
大統領に侍して:
W.L.マーシー、国務長官